こんにちは、JMAドローンスクール編集部の上高です。
今年も国内最大のドローン展示会「Japan Drone」が幕張メッセで開催され、神奈川会場の講師あすみ氏が現地を取材してきました。点検業務を中心に、最新機体から制度の話まで、現場目線でたっぷり見てきたとのことです。ここからはあすみ氏にバトンを渡します。
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2026年6月3日(水)から5日(金)までの三日間、千葉・幕張メッセでJapan Drone 2026が開催されました。私たちJMAドローンスクール神奈川会場も、今年も会場へ足を運んできました。このレポートでは、講師の私あすみが現地で見て、聞いて、触れてきたものを、受講生のみなさんにお伝えするつもりで書いていきます。

今年のジャパンドローンはどんなイベントだったか
Japan Droneは2016年に初めて開かれ、今回でちょうど第11回。ドローンに特化した展示会としては国内最大規模で、毎年この時期の幕張メッセが業界の一大拠点になります。今年のテーマは「ドローンによるインフラ革命 〜地域創生と街づくり〜」。空飛ぶクルマを扱う第5回次世代エアモビリティEXPOも同時開催され、会場は朝から多くの来場者で埋まっていました。
正直に書くと、今年は少し波乱のスタートでした。初日が台風の影響を受け、開場が13時からに変更になったのです。それでも日本全国から人が集まり、午後の会場は例年とまったく変わらない熱気でした。天候に左右されても足を運ぶ人がこれだけいるという事実そのものが、この業界の勢いを物語っているように感じます。
来場にあたっては、事前登録をしておくと当日の入場がスムーズです。会期前の登録は入場無料という案内も出ていました。これから来年以降に行ってみたいという受講生の方は、事前登録だけは早めに済ませておくことをおすすめします。
同時開催の次世代エアモビリティEXPOは、いわゆる「空飛ぶクルマ」をテーマにした展示です。人を乗せて空を移動する乗り物が、研究段階から社会で実際に使う段階へと近づいていることが、こちらのゾーンからは伝わってきました。今はまだ私たちの講習と直接つながる話ではありませんが、ドローンと空飛ぶクルマは「空の使い方のルール」を共有していく関係にあります。数年先を見据えると、こうした分野の動きも知っておいて損はないと感じています。
会場では、農薬散布、点検、測量、物流、そして最新機体まで、分野ごとにブースが並びます。展示やパネル説明だけでなく、実際に機体を飛ばして見せてくれるブースや、コントローラーを握らせてもらえるブースもあり、カタログを眺めるだけでは分からない「現場での動き」をその場で確かめられるのが、この展示会の一番の魅力です。
私たち神奈川会場が毎年ここへ足を運ぶ理由も、まさにそこにあります。業界の動きを肌で知り、業務活用のヒントを持ち帰り、そして何より、ここでキャッチした情報を受講生のみなさんに伝える。その三つが、私たちにとっての出張の目的です。今年は、神奈川会場が力を入れている「点検業務」を軸にブースをまわりました。
まずはやっぱりDJI。新製品の存在感
会場で大きな存在感を放っていたのが、おなじみDJIのコンシューマー向けブースです。

手前に展示されていたのが、フラッグシップの360度撮影機「DJI AVATA 360」。そして奥には、3つのカメラを搭載したプロ向けの空撮機「DJI MAVIC 4 PRO」が並んでいました。MAVIC 4 PROはHasselbladカメラを積んだ機体で、説明員の方いわく、空撮の表現力という点では一段上の世界を見せてくれる一台とのこと。実機を間近で見ると、アームの太さやジンバルの作りからして、確かに本気の機材だと伝わってきます。

DJIは農業分野の「DJI AGRICULTURE」ブースも別に構えていて、空撮、点検、農業と、用途ごとに棲み分けて展示しているのが印象的でした。一社でこれだけ幅広い現場をカバーしているという事実を、改めて実感したところです。
点検に効く機体たち。ここが今年の本命
今年いちばん時間をかけてまわったのが、点検用途の機体です。点検といっても、橋やダムのような大きな構造物もあれば、住宅の床下のような狭くて暗い空間もあります。求められる機体は、現場によってまったく違ってきます。

こちらは大型の測量・点検向け機体。上部にSonyの一眼カメラ、機体にはLiDAR(レーザーで形状を測るセンサー)を組み合わせていて、手前のコントローラーの画面には、計測した地形が色とりどりの3Dデータとして映し出されていました。広い範囲を高い精度で測りたい現場では、こうした機体が活躍します。
一方で、まったく逆方向に振り切った機体もありました。

Liberaware(リベラウェア)の小型機です。黄色いガードでプロペラをぐるりと囲い、人が入れないような狭い空間や暗い場所を飛ぶことに特化しています。手のひらに乗るほどの大きさで、煙突の内部やプラントの配管まわりなど、人が入れば危険な場所を人の代わりに見てくる。点検という仕事の幅を、こういう機体が確実に広げているのだと感じました。
そして、神奈川会場の受講生のみなさんにいちばん身近に感じてもらえそうだったのが、こちらです。

戸建住宅の「獣害調査」、つまり床下にハクビシンやネズミなどが入り込んでいないかを調べるデモです。使われていたのは、ライトを灯した小型のFPV機。モニターには、人がもぐり込むのが大変な床下の様子が、明るくくっきりと映し出されていました。住宅の点検は身近な仕事でありながら、人が入るには狭くて危険な場所が多い分野です。小型ドローンが力を発揮する現場の、まさに好例でした。
点検といってもこれだけ機体の選択肢があり、「何を点検するか」で適した一台が変わる。この当たり前のことを、実機を前にして改めて整理できたのが今回の大きな収穫です。
実際の現場では、機体選びだけでなく、撮った映像をどう記録に残し、どう報告書にまとめるかまでがセットで求められます。SIVIONの展示で印象的だったのは、機体そのものよりも、計測したデータを地図や3Dのかたちで管理する仕組みが用意されていたことでした。「飛ばして撮る」だけで終わらせず、その後のデータ活用まで含めて考える。これからの点検業務は、そこまでを一つの流れとして設計できる人が強い、というのが現場をまわって得た実感です。
360度カメラの新ブランド「ANTIGRAVITY」
カメラメーカーとして知られるInsta360が立ち上げた新ブランド「ANTIGRAVITY」のブースにも、長い列ができていました。

「世界No.1の360度カメラメーカー」として培った技術を、そのまま空に持ち込んだかたちです。展示されていたのは360度撮影に対応したFPVドローンで、撮影してから後でアングルを決められるという考え方は、これまでの空撮の常識を少し変えるかもしれません。カメラの会社がドローンに参入してくるという流れは、業界全体の裾野が広がっているサインだと受け止めています。
「国家資格があれば飛ばせる」と思っていませんか
機体の展示と並んで、今回どうしても紹介しておきたいのが、ある講演でした。

行政書士法人BOUNDARYによる、航空法の基礎と改正経緯についての講演です。スライドには「現場で感じる違和感」として、こんな三つの声が挙げられていました。「何を申請すればいいか分からない」「包括申請と個別申請の違いが分からない」、そして「国家資格があれば飛ばせると思っていた」。
この三つ目は、講習の現場でも本当によく耳にする勘違いです。ここはJMA本部としても正確にお伝えしておきたい点なので、はっきり書いておきます。技能証明(国家資格)を持っていても、飛ばす場所や方法によっては、国土交通省への飛行許可・承認の手続きが別途必要になる場合があります。「資格を取ること」と「その飛行が許されること」は、別の話なのです。
国家資格は、安全に飛ばすための知識と技能を持っていることの証明です。そのうえで、どこで、どんな方法で飛ばすのかによって、必要な手続きが変わってくる。資格と申請はセットで理解しておく必要がある、ということを、専門家の講演という場で改めて確認できました。このあたりは、神奈川会場の講習でも繰り返しお伝えしている部分です。
会場の熱気と、ドローンの「その先」
点検以外にも、目を奪われる展示はたくさんありました。

たとえばPlatinumスポンサーのGMOインターネットグループは、ドローンの枠を超えてヒューマノイドロボットをずらりと並べていました。「HUMANOID SPEC」と書かれたパネルとともに、人型のロボットが何体も立ち並ぶ光景は、まるで近未来の展示会のようです。空だけでなく地上でも、人の作業を機械が担う時代が、もうすぐそこまで来ているのだと感じさせられました。
Goldスポンサーのテラ・ラボのブースでは、「ドローンで変わる災害対応の最前線」というメッセージとともに、災害現場で活躍する大型の機材が展示されていました。点検にしても災害対応にしても、ドローンが「人が行きにくい場所へ、人の代わりに行く」道具として育ってきていることが、会場全体から伝わってきます。

上の階から会場を見下ろすと、ブースの数と人の多さに改めて圧倒されました。今年の出展は2展合計で約300社・団体、来場者は約24,000人が見込まれていたとのこと。この熱気の中に身を置くだけでも、業界がどこへ向かっているのかが体で分かります。
こうした展示会のもう一つの価値は、人との出会いです。メーカーの開発担当の方から直接話を聞けたり、同じようにスクールを運営する方や、現場でドローンを使っている事業者の方と情報交換できたりする。インターネットで調べるだけでは届かない「生の声」が集まる場所だからこそ、私たちは毎年ここへ足を運んでいます。今年も持ちきれないほどの資料と、それ以上に多くのヒントを抱えて帰ってきました。
受講生のみなさんへ。持ち帰ったものを講習で
今年のジャパンドローンで私が強く感じたのは、ドローンが「飛ばすこと」そのものから、「どう仕事に使うか」へと、はっきり軸足を移しているということです。点検、測量、災害対応、住宅調査。どの現場でも、目的に合った機体を選び、正しい手続きを踏んで飛ばすことが、これまで以上に大切になっています。
JMAドローンスクール神奈川会場では、国家資格の講習に加えて、こうした業務活用にも力を入れています。今回会場でキャッチした最新の機体や制度の話は、これからの講習の中で、できるだけ具体的なかたちで受講生のみなさんにお伝えしていきます。「資格を取って終わり」ではなく、「現場で使える」ところまで一緒に進んでいけたら、というのが私たちの願いです。
当日の様子は動画でもまとめています。あわせてご覧ください。
▶ Japan Drone 2026&SEKIDOパートナーサミット 行ってきた!レポート
https://youtu.be/0tFF5LhkTuY?si=f-cG-GgWZhPGCUmm
ドローンを仕事にしたい方、業務でもっと活用したい方は、ぜひ一度、神奈川会場へお問い合わせください。
▶ JMAドローンスクール神奈川会場
https://drone.seimaiki-fort.com/fujieda-industrial-drone-experience-meeting/
JMAドローンスクール神奈川会場 講師 あすみ

