編集長の上高です。本日は、JMAが講習の実施だけでなく、テキストやeラーニングを含む教育コンテンツそのものを作りながら、操縦者教育の環境を整えてきた歩みを振り返ります。
この記事は、JMA旧公式サイトに掲載していた教育方針や教材に関するページ、これまでの講習記事、現在のJMAドローンスクールで確認できる教材情報を整理・再編集したアーカイブ記事です。特定の学校名や流通事業者名、過去の料金・販売条件は掲載せず、JMAがどのような考え方で教材と教育コンテンツを作ってきたかに焦点を当てています。
講習を行うだけでは、教育は完成しない
ドローンの講習では、操縦技術を身につけることが重要です。しかし、安全に無人航空機を運航するためには、機体を動かせるだけでは十分ではありません。
航空法や関係法令、機体の仕組み、気象、運航体制、リスク管理、緊急時の対応。操縦者は、飛行前から飛行後まで多くの情報を理解し、状況に応じて判断する必要があります。
JMAが教材づくりで大切にしてきたのは、試験に出る項目を暗記することだけではありません。「なぜ、このルールがあるのか」「なぜ、この確認が必要なのか」「条件が変わったときに、どう判断すべきか」を理解できることです。
旧JMA公式サイトの「教育・公式テキスト」ページでも、JMAは教材を試験対策だけのものではなく、制度や安全の根拠を理解し、現場で考えて判断できる操縦者を育てるためのものとして位置づけてきました。
学ぶ、理解する、判断する。教材を教育の土台にする
JMAの教育は、知識を一度覚えて終わることを目的としていません。
まず正しい知識を学ぶ。次に、ルールや仕組みの意味を理解する。そのうえで、実際の飛行環境に合わせて自分で判断する。判断した内容を安全な運航につなげる。そして、制度や技術が変われば再び学ぶ。
この「学ぶ → 理解する → 判断できる → 安全に運航する → 継続して学ぶ」という流れを支えるために、JMAでは講師による講習だけでなく、学習者が自分で確認し直せる教材や教育コンテンツを整えてきました。
テキストは、講習時間の中で使う資料であると同時に、講習後に迷ったときに立ち返るための基準でもあります。制度が変わった際に、何が変わり、何を確認すべきかを整理する役割もあります。
国家資格制度に合わせて教材を更新する

2022年12月に無人航空機操縦者技能証明制度が始まり、操縦者教育の基準は大きく変わりました。JMAも登録講習機関として国家資格講習へ対応し、それに合わせて教材内容を整備してきました。
国家資格の学科講習では、国土交通省が公表する「無人航空機の飛行の安全に関する教則」が重要な基準となります。教則は固定されたものではなく、法令や制度運用の変更に合わせて改訂されます。そのため、教材も一度作れば終わりではありません。
2025年には、教則第4版に対応したJMAの国家資格対応テキストを制作し、JMA受講者だけでなく一般の方も購入できる形でAmazonでの販売を開始しました。
さらに2026年、教則が第5版へ改訂されたことを受け、JMAは教材内容を見直し、「一等・二等 無人航空機操縦士 国家資格対応テキスト 2026〜2027年版」として第5版準拠の教材を新たに制作しています。
2026年9月現在、この最新版はAmazonで販売されており、JMAドローンスクールだけでなく、他の登録講習機関や高等学校・専門学校でも教材として採用されていることをJMAニュースで確認しています。
紙のテキストだけではない教育コンテンツ
JMAが整備してきた教育コンテンツは、冊子だけではありません。
旧公式サイトでは、民間資格時代の講習でも学科にeラーニングを取り入れていた記録があります。その後、国家資格制度に対応する中で、学科講習のデジタル化や教材の更新を進めてきました。
2026年9月現在、JMAの国家資格講習では対象コースの学科をeラーニングで受講できる運用を行っています。また、登録更新講習では、学科をPC・タブレット・スマートフォンから受講できるeラーニングとして提供し、その後に全国会場で対面の修了講習を行う仕組みを運用しています。
国家資格を取得するための学習だけではなく、取得後に必要となる更新講習や継続学習まで含めて教育を設計していることが、現在のJMAの教材開発の特徴です。
教材は「合格のため」ではなく「安全に飛び続けるため」
試験に合格することは重要です。しかし、資格取得後の現場では、問題文の選択肢は表示されません。
天候が変わったときに飛ぶのか中止するのか。周囲に第三者がいるときにどう管理するのか。機体の異常を感じたときにどう判断するのか。制度上、どの手続きが必要なのか。
こうした場面で必要になるのは、覚えた答えを再生する力ではなく、基礎知識を使って状況を判断する力です。
JMAでは、教材を「資格を取るための付属品」ではなく、安全な判断を支える教育基盤の一つとして考えています。講習内容と教材内容を分離せず、実地講習、法令理解、リスク管理、継続学習へつながるように整えることを重視しています。
制度が変われば、教材も変える
無人航空機を取り巻く制度や技術は、今後も変わっていきます。航空法の改正、新しい飛行方法、機体性能の進化、運航管理の高度化など、操縦者が学ぶべき内容も更新され続けます。
だからこそ、教材は完成品ではなく、制度と現場に合わせて更新し続けるものです。
現在のJMAでは、国家資格講習、更新講習、テキスト、eラーニング、制度解説記事などを組み合わせながら、資格取得前から取得後まで学び続けられる環境を整えています。
JMAが目指す教育については、JMAについてでも紹介しています。また、これまでの教育・地域活動については、活動・実績でご覧いただけます。
「人を育てる」ために、教材からつくる
講習の質は、講師の指導力だけで決まるものではありません。何を、どの順序で、どのように理解してもらうか。その土台となる教材設計も教育の一部です。
学ぶ。理解する。判断する。安全に運航する。そして、変化に合わせて学び続ける。
JMAはこれからも、制度に対応するだけではなく、無人航空機を安全に社会で活用できる人を育てるために、講習と教材の両面から教育環境をつくり続けます。
JMAドローンスクール編集部 編集長 上高寛之


