編集長の上高です。本日は、JMAが2019年から取り組んできたドローンレースと地域活性化の歩みを、旧公式サイトの活動記録をもとに振り返ります。
この記事は、JMA旧公式サイトに掲載していた活動記録を整理・再編集したアーカイブ記事です。募集情報や参加料金、当時の申込先、競技レギュレーションなど現在は不要となった情報は除き、JMAの活動史として残すべき内容に絞って再構成しています。
2019年、岡山・奉還町商店街から始まった取り組み
JMA旧公式サイトで確認できる初期の公式発信は、2019年9月17日に掲載された奉還町商店街でのドローンレース告知です。そこでは、この取り組みを「ドローン普及活動×商店街活性化プロジェクト」と位置づけ、岡山駅近くの奉還町商店街と連携してドローンレースを開催することを発信していました。
競技に使用していたのは、小型のTinyWhoop系ドローンです。操縦者は機体に搭載されたカメラ映像をFPVゴーグルやモニターで確認しながら飛行します。商店街のアーケードという、通常のレース会場とは異なる空間にコースを設けることで、競技者だけでなく、買い物客や地域の人にもドローンを身近に感じてもらえる場をつくっていました。
JMAにとって大切だったのは、速さを競うことだけではありませんでした。地域の中にドローンを持ち込み、実際に見てもらい、知ってもらうこと。新しい技術と地域の人が接点を持つ機会をつくること。その二つを同時に進める取り組みとして、奉還町商店街でのレースは始まりました。
地域と一緒に、ドローンを「見える技術」にする
当時は、現在ほどドローンが社会のさまざまな場面で見られる時代ではありませんでした。仕事で使う機体も、空撮用の機体も、FPVレース用の機体も、一般の人にとってはまだ特別な存在でした。
だからこそJMAは、専門施設の中だけで完結するのではなく、商店街や地域イベントの中でドローンを見てもらうことに意味があると考えていました。奉還町商店街では、地域と連携しながらレースを実施し、ドローン普及と地域活性化を一つの活動として進めました。
2020年にも奉還町商店街でレースを継続しました。旧公式記事では、FPV TinyWhoopによるレースを商店街で開催し、全国から参加者が集まるイベントとして紹介しています。感染症対策が必要な時期でもありましたが、地域の中でドローンに触れる場を継続しました。
2021年、JMA TINY DRONE RACEとして全国へ
岡山で積み重ねた取り組みは、2021年から全国へ広がりました。旧公式サイトでは「ドローン普及活動×地域活性化プロジェクト」として、JMA TINY DRONE RACE 2021を全国12か所規模で展開した記録が残っています。
東京、新潟、岡山、岐阜、神奈川、富山、山口、大阪、群馬、福岡、熊本など、各地の会場や地域企業、当時のDRONESTATIONが連携し、それぞれの地域でレースを開催しました。福井では開催中止となった記録もあり、年間を通じた企画として各地域をつないでいったことが分かります。
使用したのは35g前後の小型ドローンとFPVゴーグルです。操縦者が機体視点の映像を見ながらコースを飛ぶFPVレースは、観客から見ると小さな機体が高速でゲートを通過する競技です。一方、操縦者にとっては、機体の状態、映像、コース、安全確認を同時に判断する必要がある技術でもあります。
こうした活動を全国に広げた背景には、単に大会規模を大きくすることではなく、各地域でドローンに触れるきっかけをつくりたいという考えがありました。
ドローンレースから見えてきた「人を育てる」という役割
レースはエンターテインメントですが、そこには安全に飛ばすための準備、ルール、操縦者同士の配慮、機体の管理といった要素があります。JMAが現在、無人航空機教育を中心に活動していることを振り返ると、当時のレース活動にも「技術を楽しみながら、正しく扱える人を増やす」という考え方の原型を見ることができます。
現在JMAは、「Safety as Culture. ― 空の安全を、日本の文化に ―」を長期ビジョンに掲げています。これは、制度を守るだけでなく、操縦者一人ひとりの判断や行動に安全が自然に組み込まれている状態を目指す考え方です。JMAの理念については、現在のJMAについてでも紹介しています。
また、JMAは資格講習だけでなく、地域連携や教育活動を継続してきました。現在の活動・実績でも、技術を社会のために活用する姿勢を紹介しています。
まだ、あたりまえになる前から。
2019年、商店街の中を小さなFPVドローンが飛ぶ光景は、まだ珍しいものでした。そこから地域と協力し、2021年には全国へ展開する活動へと広がりました。
JMAの活動は、国家資格制度が始まってから突然生まれたものではありません。ドローンが今ほど身近ではなかった時期から、地域の中で技術に触れる機会をつくり、人と人をつなぎ、正しい普及を考えてきました。
「まだ、あたりまえになる前から。」
奉還町商店街から始まったドローンレースの歩みは、現在のJMAが掲げる「安全に社会で活用できる人を育てる」という役割につながる、重要な活動記録の一つです。
JMAドローンスクール編集部 編集長 上高寛之

