編集長の上高です。本日は、JMAが操縦者教育だけでなく、講習修了後の飛行許可・承認や法令理解まで含めて、安全な運航を支える環境づくりに取り組んできた歩みを振り返ります。
この記事は、JMA旧公式サイトに掲載していた専門家連携、飛行許可・承認支援、講習修了後のサポートに関する活動記録を整理・再編集したアーカイブ記事です。2021年当時の契約関係と、2026年現在のJMA Club等のサービスは同一の契約がそのまま継続しているものとして扱わず、それぞれの時点の事実を分けて記載しています。
操縦技術だけでは、安全な運航は完成しない
ドローンを安全に社会で活用するためには、機体を正確に操縦できることが必要です。しかし、実際の業務ではそれだけでは足りません。
どこで飛ばすのか。どのような飛行方法なのか。飛行するために許可・承認が必要なのか。立入管理措置をどのように取るのか。機体や操縦者の情報をどのように管理するのか。
操縦者には、技術と同時に制度・ルールを理解し、実際の運航へ落とし込む力が求められます。
JMAは、講習を修了した人に「飛ばし方」だけを伝えて終わるのではなく、実際に社会で運航するときに必要となる法令や手続きを理解できる環境づくりにも取り組んできました。
2021年、法務・許認可の専門家との連携を開始
JMA旧公式サイトでは、2021年3月3日、ドローンに関する許認可業務を扱うバウンダリ行政書士法人との業務提携・顧問契約締結を発表しています。
当時のJMAは、航空法をはじめとするドローン関連の規制や制度変更に対応するため、法務・許認可の専門家と連携し、全国のドローンスクールのインストラクターや受講者へ、法律・規制の理解と適切な申請について伝えていく方針を示しました。
また、JMAが全国で取り組んでいたドローンレース等の活動においても、機体が大型化し、飛行条件が変われば許可・承認の判断が重要になることから、競技やイベントを安全に実施するためにも制度理解が必要であると説明しています。
これは2021年当時の連携に関する歴史的記録です。本記事では、当時の「顧問契約」が現在まで同じ内容で継続しているとは表現していません。
講習修了後の「実際に飛ばす」までを考える
民間資格時代の旧JMAスクール記事を見ると、講習内容だけでなく、飛行許可・承認や保険を組み合わせた受講後支援を行っていた記録があります。
当時は、講習を終えた後に操縦者自身が飛行申請で迷わないよう、包括申請や機体の初期設定などを含めたコースも案内していました。2023年の旧公式記事でも、民間資格講習の特徴として、講習修了後の飛行許可・承認について行政書士による代理申請を行う仕組みを紹介しています。
これらは当時の講習プランとサービス条件に基づく記録であり、現在の料金や申請条件とは異なります。そのため、本アーカイブでは旧料金や旧プラン名を引き継いでいません。
一方で、「講習を終えた後、実際に安全に飛ばすところまで考える」という発想は、現在のJMAにもつながっています。
国家資格があっても、すべての手続きが不要になるわけではない
2022年12月から無人航空機操縦者技能証明制度が始まり、一等・二等の国家資格が導入されました。
国家資格は、安全な運航能力を公的に証明する重要な制度です。しかし、国家資格を持っていれば、すべての飛行で許可・承認やその他の手続きが不要になるわけではありません。
機体認証の有無、飛行場所、飛行方法、カテゴリー、立入管理措置などによって、必要となる手続きは異なります。資格を取得したあとも、自分が行おうとしている飛行について制度を確認し、必要な手続きを判断する必要があります。
そのためJMAでは、資格取得後も制度や運航ルールを学び続けることを重視しています。
2026年現在のJMA Clubと安全運航支援
2026年9月現在、JMAでは資格取得後・講習修了後の安全な運航を支える仕組みの一つとして、JMA Clubを運用しています。
現在のJMA Clubでは、プランに応じた損害賠償責任保険に加え、会員向け情報配信や相談窓口を提供しています。また、バウンダリ行政書士法人による飛行許可・承認申請を会員向け条件で利用できる仕組みがあり、スタンダード・プレミアムの各プランには行政書士法人への相談特典も設定されています。
ここで重要なのは、JMA Clubの更新と飛行許可・承認の更新は別の手続きだという点です。JMA Clubへ加入・更新しただけで、現在持っている飛行許可・承認が自動的に更新されるわけではありません。必要な飛行を継続する場合は、許可・承認の有効期間や飛行条件を確認し、別途必要な手続きを行う必要があります。
現在のJMA Clubの内容については、JMA Clubでご確認ください。
専門家連携の目的は「申請を任せること」だけではない
飛行許可・承認の手続きを専門家へ依頼できることは、操縦者や企業の負担軽減につながります。しかし、JMAが専門家との連携で重視してきたのは、申請作業を外部へ任せることだけではありません。
なぜその許可が必要なのか。どの条件なら許可・承認が不要なのか。飛行場所や方法が変わったときに何を確認すべきなのか。
操縦者自身が制度の基本を理解していなければ、現場で適切な判断はできません。専門家の知見を教育へ取り入れ、講師や受講者が制度を正しく理解することも重要です。
JMAの設立理念や現在の教育方針については、JMAについてでも紹介しています。
資格取得のその先へ
操縦者を育てる。制度・ルールを理解する。必要な許可・承認を確認する。保険や相談体制を整える。そして、制度が変われば学び直す。
安全なドローン運航は、資格証を取得した瞬間に完成するものではありません。
2021年に始まった専門家との連携は、JMAが講習の外側にある「実際の運航」まで考え始めた活動の一つでした。現在は国家資格制度やJMA Clubなど仕組みの形が変わっていますが、資格取得後も安全を続けるという考え方は変わっていません。
「Safety as Culture. ― 空の安全を、日本の文化に ―」。JMAは、学んだ人がその後も正しく判断し、安全に飛び続けられる環境づくりを続けていきます。
JMAドローンスクール編集部 編集長 上高寛之


